Stablecoin

MakerDAO創業CEOルーン・クリステンセンのインタビューまとめ

ステーブルコインのDAIはその仕組みが複雑なことで知られるが、DAIプラットフォームを運営するMakerDAOの創業CEO、ルーン・クリステンセンのインタビューがUnChainedポッドキャストでリリースされた。1月29日のパート1、2月5日のパート2の2回に分かれたインタビューの要点を以下にまとめた。(DAIについては、以前のブログを参照。またオリジナルのポッドキャストはリンク先に書き起こしもある。) [復習] MakerDAOはDAIとMKRの二種類のトークン・コインを発行している。MKRはDAIのシステムを円滑に運用するためのガバナンス用トークン。現在のユーザから見たDAI発行の仕組みは イーサリアム(ETH)を担保に収めるとDAIが借りられるDAIを返すとETHが返ってくる。返したDAIはここで消滅(バーン)するこの際に「スタビリティ・フィー」として0.5%取られるというのが基本のプロセスとなっている。 そこで問題となるのは、「DAIを借りている間にETHの価値が下がってしまったらどうするのか」ということ。DAIのプラットフォームでは、ETHの市場価値が大幅に下がっても、担保として預けてあるETHが借りているDAIの価値を下回らないよう、何段階かのプロテクションがある。 プロテクション1: まずそもそものバッファーとして、1ドル分のDAIを発行するためには1.5ドル分のETHを担保として収める必要がある。ETHの値段が下落したら、それに応じて「借りているDAIの価値の1.5倍のETHが担保になっている状態」までETHを積み増さなければならない。この「1.5倍」はリクイデーション・レシオと呼ばれるテクニカルには、「ETHを担保にDAIを借りる」というところでCDP(collateralized

03/04 4 min read
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Facebookもステーブルコイン開発中

Facebookがブロックチェーン関連のチームを作っているのは以前から時々話題になっていたが、現在開発チームは40人、そして2014年に190億ドル(2兆円!)で買収したメッセージングアプリ、WhatsAppのインドユーザが送金し合えるようにステーブルコインを開発中のようだ。 WhatsAppはインドだけで2億人(!)のユーザがいる。そして国外からインドへの送金の市場規模は690億ドル、7兆円。ということで、まずはこの美味しい市場を狙おうとしているようだ。 インドは2018年の6月には暗号通貨取引を禁止する一方で、政府自身が暗号通貨を発行することも検討するなど、揺れている国ではあるのだが。 また、2019年はGAFAへの独禁法適用の可能性が語られ始めており、特に2016年の大統領選でロシアの介入を許したFacebookへの風当たりは強く、WhatsApp、InstagramがFacebook本体から解体されることも大いにあり得たりする。

02/08 1 min read
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その他諸々ステーブルコイン

これまで2週間にわたって書いた通りステーブルコインは現状アメリカドルに連動しているのが普通なのだが、そうでないものもある。 たとえばDigixGoldは「金連動型」。DigixGoldの発行量に相当する「金の延べ棒」が金庫に積んであり、誰かが「金を買い戻したい」と言ってきたらその金庫から金を出して渡せる。DigixGoldの金庫は、これまでシンガポールに二箇所あったが、さらに2月1日にカナダの貴金属商、SilverGoldBullとのパートナーシップの元カナダにも加わった。 ちなみに、金の価値に連動するETF(上場投資信託)も世の中にはあるのだが、意外に歴史が浅くて2003年にはじめてオーストラリアで取引が開始された。歴史的金相場は結構上下動が激しいのでETFの影響を切り離すのは難しいが、取引が容易になった(=金の延べ棒を物理的に動か作てもよくなった)ために金の価格が上がったとされる。 DigixGoldはまだ市場価値が400万ドル程度と小さいので金相場がこれで動くようなものではないが、ブロックチェーン上でリアルワールドの資産価値を取引するのが広まれば、金の価値を上げる要因にはなるだろう。 これ以外には、「ビットコインの価値に連動したステーブルコイン」のWrapped Bitcoinというものもある。ERC-20準拠なので、「イーサリアム上でビットコインの価値に連動したトークンを扱う」ということができる。 さらに、同じくERC-20準拠のものに、イーサリアムの価値に連動したステーブルコイン、WETHもある。イーサリアム自体はERC-20準拠でない、という点を解消したものだが、意外なことに24時間で5000万円分くらいが取引されている。WETHのサイトでは、 HOPEFULLY, THERE’S NO FUTURE FOR WETH.となっている。

02/07 1 min read
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法定通貨担保型ステーブルコインTether

ステーブルコインシリーズ、とりあえずの最終回は真打ちTether。流通量で見ると、他のステーブルコインが100-300億円程度なのに対し、Tetherは2000億円以上ある。 Tetherはもともと、Realcoinという名前で2014年に発表された。そして2015年に香港の取引所Bitfinexで取引が開始されたが、Tetherの発行会社のTether Holdings LimitedとBitfinexのCEOは同じ人だったりする。そして、BitfinexはTetherを使ってBitcoinの相場操作をしていたのではないかとするテキサス大学の調査レポートも出た。いわく、Tetherの発行分はほぼ全てBitfinexに流れており、Bitcoinの値段が下がるたびにTetherを新発行してBitcoinを買っていた、と。 さらには、Tetherの発行分を担保する米ドルが本当にどこかにちゃんとキープされているのかも明らかではなく、 「もしかして、子供銀行券のように、なんの根拠もなく適当に発行してるだけでは?」 と疑問視されていた。 2017年12月には米商品先物取引委員会と司法省からBitfinexとTetherに対して召喚状も出て、2018年1月には監査会社のFriedman LLCとも決別。いよいよ子供銀行券疑惑は高まったのだが、それでもTetherは2000億円以上の価値を保ち続けた。(召喚状の結果がどうなったかは公表されていない)。 しかし同年10月に、Tetherの価格は急落、95セント台まで下がる。「すわ、Tether崩壊か」と市場はビクついたが、しかしそこでTetherに「買いオペ」が入る。 CoinMarketCapで見るとこんな感じで、緑が価格、水色が市場価値である。水色が直線的に下がるところでTetherの買い支えがあったと見られる。 段階的に、10月8日の28億ドルから、11月14日の16億ドルまでTetherの市場価値は縮小したが、その後もち直して現時点でのTetherの市場価値は20億ドルとなっている。「28億ドルから16億ドルまで縮小」ということは、ほぼ同額をTether発行元が買い戻した、ということで、

02/06 4 min read
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法定通貨担保型ステーブルコインPaxos

もともと2012年にニューヨーク州の認可取引所、itBitとして始まったPaxosによるステーブルコイン。2018年5月にステーブルコイン発行に向け、ベンチャーキャピタルから6500万ドルを調達。同年9月にウィンクルボス兄弟のGemini Dollarと同じ日にニューヨーク州金融サービス局からステーブルコイン発行認可を得た。規制下で発行分の米ドルを保管するERC20トークンという点でGemini Dollarと非常に似ている。双子だと思ったら三つ子だった、という感じ。現時点での発行額は、Geminiが8800万ドルなのに対しPaxosは1億2300万ドルと、こちらもそれほど大きな差はない。 Gemini、Paxosともにオリジナルのビジネスである取引上の方も、1日の取引額はそれぞれ490万ドル、320万ドルと五十歩百歩。(参考まで、グローバルでトップのBinanceは6億ドル弱、米国取引所のCoinbaseで4100万ドル。ソースはCoinmarketCapの取引所ランキング。) いずれもニューヨークの会社である。 物理的に近くにあると、発想も成長意欲も似てしまうのはよくある話。 シリコンバレーも例外ではないが、スタートアップが多く競争が激しいゆえに、なんとか差別化しようと、それなりに違ったものが登場する点でややバリエーションがあると言えるだろう。 GUポッドキャスト ep.2:ステーブルコイン GULab · 2. Stablecoin: Maker DAI, Gemini Dollar, TrueUDS, Paxos, Tether, Circle USDCなど Ep.2

02/05 1 min read
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法定通貨担保型ステーブルコインTrueUSD

資産のトークン化のためのプラットフォームを開発するTrustToken社が発行したステーブルコイン。Gemini DollarやUSD Coinのように公的機関の認可は受けていないが、監査法人Cohen & Coによる監査結果を定期的に発表している。 TrustToken社は、アメリカドル以外にも、様々な法定通貨をトークン化していくとし、そのロードマップには日本円も入っている。また、法定通貨だけでなく不動産、事業会社など、いろいろな現世界のアセットをトークン化できるとしている。 TrustToken社は、Andreessen Horiwitz等のベンチャーキャピタルから2018年6月に2000万ドルを調達。8月には、ICOプラットフォームのCoinlistで、accredited investor(SECの規定を満たす適格投資家)から6100万ドルをゴールにICOを行なった(最終的にICOで調達した金額は不明)。 GUポッドキャスト ep.2:ステーブルコイン GULab · 2. Stablecoin: Maker DAI, Gemini Dollar, TrueUDS, Paxos, Tether, Circle USDCなど Ep.2 参考:TrueUSD: A Stablecoin That You Can

02/02 1 min read
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法定通貨担保型ステーブルコイン Circle USD Coin

USDコイン(USDC)は、クリプトによるP2Pペイメントを行うCircle社が発行するステーブルコイン。Gemini Dollar同様、ニューヨーク州金融サービス局からステーブルコインとして認可されている。USDC発行にあたっては、米国最大の取引所のCoinbaseと協業、USDCはCoinbaseが取り扱う唯一のステーブルコインとなっている。 Circle社は2013年に創業され、2015年にニューヨーク州のBitLicenseを取得。本社はボストン。2016年までは、ビットコインのウォレットも提供していた。ベンチャーキャピタル等からこれまでに1億3500万ドルを調達している。 Circleの投資家にはBitmainも入っている。2018年には取引所のPoloniexを4億ドルで買収した。Bitmainはマイニング界では悪評高く、Poloniexも過去の取引問題でSECと対立する可能性があり、そのあたりについて問いただすインタビューが末尾のリンク先にある。 GUポッドキャスト ep.2:ステーブルコイン GULab · 2. Stablecoin: Maker DAI, Gemini Dollar, TrueUDS, Paxos, Tether, Circle USDCなど Ep.2 参考: Unchained Podcast: Circle’s Jeremy Allaire and Sean Neville on

02/01 1 min read
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法定通貨担保型ステーブルコインGemini Dollar

大金持ちでオリンピックメダル保持者でもある双子のウィンクルボス兄弟が運営する取引所、Geminiが発行するステーブルコイン。ウィンクルボス兄弟は、ハーバード在学中にザッカーバーグにアイデアを盗まれたとしてFacebookを訴え、2011年に6500万ドルの賠償金を獲得。これでビットコインを買い巨額の富を得てGeminiを開設、というわらしべ長者のような双子でもある。 Gemini DollarはNew York Department of Financial Services(ニューヨーク州金融サービス局)から2018年9月にステーブルコイン発行の許可を得て発行されているERC20トークン。 GUポッドキャスト ep.2:ステーブルコイン GULab · 2. Stablecoin: Maker DAI, Gemini Dollar, TrueUDS, Paxos, Tether, Circle USDCなど Ep.2 参考: Unchained Podcast 2019年1月22日:Tyler and Cameron Winklevoss on Being the ‘Fastest Tortoise in the Race’

01/31 1 min read
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クリプト担保型ステーブルコインMaker Dai

MakerというDAO (dicentralized autonomous organization)が発行するイーサリアム上のステーブルコインで、1 DAI=1米ドルの価値が続くように設計されている。ERC20トークンで、「ダイ」という名前は、中国語の「貸」から取られている。2017年12月18日に流通開始。 現在は、イーサリアムを担保として発行されており、CDP(collateralized debt position)と呼ばれるブロックチェーン上のスマートコントラクトにイーサリアムを送ることで発行される。送ったイーサリアムは、発行されたDaiを送り返すと戻ってくる。つまり、CDPにイーサリアムを「貸す」ことで、Daiを「借りる」ことができる。 現在は、発行したいDaiの価値の150%のイーサリアムをCDPに送らなければならない。つまり、1.5ドル分のイーサリアムをCDPに送ると、1 DAIが発行される。この150%を「担保比率」と呼ぶ。 Daiの価格がUS$1より低くなると、CDPをオークションで販売、イーサリアムの価値が、それが担保するDaiの価値より低くなる前に売り払う(質流れ的な)。 イーサリアムの価値が一気に暴落して、

01/30 1 min read
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