暗号通貨勉強会:Vitalikがビットコインマキシマリスト擁護?

Cryptocurrency
 | 2022-04-23

■Vitalikのビットコインマキシマリスト擁護

Vitalikがエイプリルフールに「In Defence of Bitcoin Maximalism」と題したブログをアップ。内容はビットコインマキシマリストを擁護するもので「本気半分・シニカル半分」とVitalikはインタビューで言っている。内容の要旨は以下の通り:

  • ロシアとウクライナの戦争に見られるように世の中は危険。政府の弾圧に負けないセキュリティを確保するために(分散型の)ブロックチェーンは多くを犠牲にしている。例えば「取引は何千回もの独立した承認が必要」「取引が終了するのに10秒〜10分かかる」「ユーザーがキーを無くしたらアクセス不可能」「プライバシーがほとんどない」など
  • こうしたブロックチェーンの機能を維持していくにはロバストな技術スタックとカルチャースタックが必要。ビットコインとイーサリアムを比較して、ビットコインのカルチャーは体制に屈しない強靭なミニマリズムがある
  • ビットコインには通貨の機能しかないが、通貨はブロックチェーンで最も成功した機能であり「とりあえず最初のアプリケーション」ではない。アルゼンチンの3%、ナイジェリアの6%、ウクライナの12%が資産として暗号通貨を持っている
  • ビットコインに機能を付加するプロポーザルは多数あるが、ビットコイン開発者は機能を加えることによるシステミックな複雑さが生じるリスクを心配しており、導入されることはない
  • イーサリアムのminer-extractable value (MEV)は「システミックな複雑さ」が産んだ問題の好例
  • ビットコインの強力な反体制的カルチャーがその独立性を担保している
  • 上述のビットコインの特徴はネットワーク効果によるものではない。「ビットコインは時代遅れのペットロックで、歩くゾンビ的ネットワーク効果に依存したちょっと押せば崩れるもの」という考えは間違っている
  • 「多くのブロックチェーンプロジェクトは詐欺でありそれを許してはならない」「通貨であることは暗号通貨の基本の価値であり、それを守るためにプロトコルはシンプルにすべき」「信条のためには多数の反感をかってもよい」といったマキシマリスト的発想は評価に値するものである

■その他のニュース

  • Beanstalkステーブルコインハックで$182Mが盗まれる。$1B相当のステーブルコインをフラッシュローンで借りて、それをBeanstalk DAOの投票に使い「ウクライナに寄付する」という提案をして承認、代わりにハッカーのウォレットに送金
  • 去年の8月からの38週で37件のハックがあり、総額$2.9Bが盗まれている
  • Axie InfinityのRoninブリッジハックで盗まれた173,600 Etherの7.5%にあたる13,020 EtherがプライバシーチェーンのTornado Cashでロンダリングされたが、その後ハッカーは北朝鮮のLazarusとFBIが発表、Tornado Cashはアカウントをブラックリストした(ちなみにTornado Cashにデポジットされている総額はUSドルで$6.4B相当。)
  • CoinbaseがBored Ape Yacht ClubのNFTをフィーチャーした3部作映画を制作することを発表。BAYCホルダーは自分のApeをキャストとして提出することができる(審査あり)
  • $2.9Mで販売されたJack Dorseyの最初のTweetが$48Mの売値予想でオークションに出されるが、ビッドは$30,000程度
  • USDCステーブルコインを発行するCircleが 昨年の$440Mに加えて$400Mを世界最大の資産運用会社のBlackRock、Fidelity等から調達。USDCは$51B流通しており、提携先のBNY Mellon銀行がカストディを提供
  • フォートナイトを開発したEpic Gamesが$2Bをメタバースに投資
  • これまでAave、Compound、MakerDAOなどに投資してきたUniswapがベンチャーキャピタルを開始
  • Ignite (元Tendermint)がスタートアップのアクセラレータを始動、毎年20社をサポート予定。Alameda Researchなど11企業が$150Mを投資
  • スマートコントラクトのセキュリティ監査などを行うCertikの$88M増資ラウンドにGoldmanが参加
  • MetaがNFT取引の手数料を50%と発表
  • 株式投資アプリのRobinhoodが個人ウォレットへの暗号通貨引出し機能を提供開始

Chika Watanabe

Born in Japan, lives in Silicon Valley. Japanese Blog: chikawatanabe.com English Blog: eng.chikawatanabe.com

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